
不動産売却の流れは、8つのステップに分けられます。
ステップ①:情報収集
ステップ②:複数の不動産会社に査定を依頼
ステップ③:依頼する不動産会社を選り抜く
ステップ④:不動産会社と契約を結び、不動産を売りに出す
ステップ⑤:購入希望者の内覧対応・条件交渉等
ステップ⑥:売買契約の締結
ステップ⑦:残金決済・抵当権抹消~引き渡し
ステップ⑧:確定申告
不動産を少しでも高く、よりスムーズに売却するためにも、そして行き当たりばったりであたふたしないためにも、この不動産売却の流れを掴んでおくことは、非常に重要です。
不動産売却の流れを踏まえずに売却を行うと自分の希望の売却価格で不動産を売ることは難しくなります。
正しい流れを踏まえれば、以下のように適切に不動産売却を進めることができます。
・より高く不動産を売却をすることができる
・より早く不動産を売却をすることができる
この記事では、不動産売却の一連の流れを全8ステップに分けてご紹介します。
専門知識のない方にも簡単に掴んでいただけるよう、わかりやすく・かみ砕いて解説してまいります。
「不動産の売却をするのは今回が初めてで、そもそも何から手をつけたらいいかわからない」「自分がいつ・何をするべきか把握しておきたい」といった方も、ぜひ参考にしてください。
目次
1. 不動産売却の流れ|8つのステップごとに詳しく解説
【ステップ①】情報収集
不動産を「少しでも高く売却したい」「できるだけ早く売却したい」「あれこれ振り回されることなく、スムーズに売却したい」と考える方は少なくないでしょう。
こうした希望を叶えるためには、戦略的に売却を進める必要があります。そして、その戦略を練るためには情報が必要です。
本記事でご紹介している“一連の流れ”や“自身がいつ・何をしなければならないのか”については、最低限、おおまかにでも事前に頭に入れておきましょう。
余力があれば、その他、不動産売却にまつわる基礎知識は押さえておきたいところ。
特に、不動産の売却額にも影響する可能性のある、不動産の査定や不動産会社と結ぶ媒介契約[専属専任/専任/一般]あたりの情報(※本記事でも少し触れています)は本格的に動き出す前に把握しておくのがオススメです。
こうした不動産売却に関する知識は、書籍やインターネットでも簡単に入手できます。ただし、なかには不確かな情報が含まれていることもあるため、複数の情報源にあたり、情報の正確性を検証することも重要です。
不動産売却の基礎知識については、こちらの記事がおすすめです。
不動産売却の全知識を知りたい方へのオススメ参考記事
- 必ず押さえておくべき不動産売却の知識をまとめてご紹介
完全ガイド|不動産の売却に必要な知識を全解説!
【ステップ②】複数の不動産会社に査定を依頼
一通り情報収集が終わったら、不動産会社選びをはじめましょう。
不動産会社選びは、“まずは目ぼしい3~6社に不動産の査定をお願いし、比較・検討して、最終的に依頼する不動産会社を決める”というやり方が一般的です。
選ぶ不動産会社によって、売却額が異なったり、売却できる時期が遅れる可能性も十分にあるため、不動産会社は慎重に選ぶ必要があるからです。
例えば、一口に“不動産会社”といっても、売買が得意な不動産会社もあれば、賃貸が得意な不動産会社、管理業務が得意な不動産会社もあります。
売買が不得意な不動産会社の場合、相場と不釣り合いな金額で売り出してしまう可能性がありますし、また、なかなか売却できず、売却時期が遅れる可能性もあります。
不動産を売却したい場合は、もちろん、売買が得意な不動産会社への依頼がオススメです。
また、不動産会社ごとに得意なエリアがあります。査定を依頼する物件の地域において売却実績の多い不動産会社を選ぶようにしましょう。
売買実績は不動産会社にヒアリングすることができます。
※査定時について
査定時には、図面や登記情報など、いくつかの書類が必要となります。より適正な見積額を算出するために必要となる書類もありますので、事前に不動産会社に確認しておきましょう。また、売主は、査定に立ち会うことになります。
不動産会社を探すのに、一括査定サイトは有効
「そもそも、どの不動産会社に査定をお願いすればいいかわからない」という方は、一括査定サイトを活用するのも一つの手です。
一括査定サイトを活用すれば、住所やお持ちの不動産の特徴によって、最適な不動産会社をピックアップしてもらえます。
また、住所や間取り、築年数などの情報をもとに不動産会社から簡易的な机上査定での査定額も提示してもらえるため、複数社の査定額を比較することで売却額の相場観が掴めるのも一括査定サイトの嬉しいポイントでしょう。
本サイトを運営しているNTTデータ・スマートソーシングでも、一括査定サイト「HOME4U(ホームフォーユー)」を運営しています。
HOME4Uは、「便利」と「安心」が両方そろった一括査定サービス。大手から地元密着型まで、たくさんの不動産会社が参加しています。
また、悪質な不動産会社がいないかを常に厳しく審査しています。
その審査された信頼できる全国約1,800社(業界最大級)の不動産会社の中から、お客様の条件にぴったり合う不動産会社をHOME4Uのシステムが自動的に最大6社ピックアップいたします。
ピックアップした6社に、まとめて査定を依頼していただくことも可能です。
【ステップ③】依頼する不動産会社を選り抜く
査定を依頼した複数社の査定結果が出そろったら、比較・検討して依頼する会社を選り抜いていきましょう。
不動産会社を選り抜く際、多くの方が、まず査定額を比較すると思います。
この時に、認識しておいていただきたいのが、“単純に査定額が高ければ高いほどいい”というわけではないということです。
査定額は、あくまでも査定額。その額で売却できるという保証はありません。
どんなに査定額が高くても、売却ができなければ意味がないのです。
そこで、各不動産会社に提示された査定額をチェックする際には、「査定額が相場と大きく違わないか」「査定額の根拠(なぜ、その査定額になったのか)」は必ず確認しましょう。
査定額の相場感は、他社と比較するだけでなく、実際に同じような条件の不動産の売却実績をチェックするという方法でも探ることができます。
不動産の売却実績は、不動産会社の営業担当者に尋ねるか、自身でも国土交通省の『土地総合情報システム』を使って調べることができます。
土地総合情報システムは、不動産の取引を行った当事者にアンケート調査を行って得られたデータを公表しています。自分の物件と同じエリア、似たような物件を見ると、おおよその相場の目安をつけることができます。
また、不動産会社を見極めるにあたり、営業担当者も重要なポイントとなります。
営業担当者の知識量によって選択肢が増えたり、高い交渉力によって好条件で取引ができたりと、営業担当者の手腕が結果を左右するシーンは少なくありません。しかし、一般の方が営業担当者の知識量や交渉力を見抜くのはなかなか難しい面もあります。
そこで、下記のポイントで比較をしてみて、営業担当者を見極めるとよいでしょう。
良い営業担当者を見極めるポイント
- ・査定額について、根拠のある説明をしてくれる
・不動産の知識が豊富で、尋ねたことに適切な回答をしてくれる
・こちらの心配や不安にも寄り添い、丁寧な対応をしてくれる
・土地を購入したい希望者などの、地域の情報をしっかり把握している
信頼できる不動産会社の選び方についてもっと知りたいという方は、こちらの記事がおすすめです。
不動産仲介会社の選び方が知りたい方へのオススメ参考記事
- 確実に良い不動産会社を選ぶための知識を紹介
信頼できる不動産売却の仲介業者を選び抜くための5つのポイント
【ステップ④】不動産会社と契約を結び、不動産を売りに出す
依頼する不動産会社を選り抜いたら、その不動産会社と媒介契約(専属専任媒介契約/専任媒介契約/一般媒介契約のいずれか)を結びましょう。
媒介契約後、いよいよ売却活動がスタートします。
売却活動がスタートすると、不動産会社から定期的に活動報告が入ります(専属専任媒介契約、専任媒介契約の場合は必須、一般媒介契約の場合は任意)。
活動報告の頻度は、契約内容によって異なります。事前に確認しておきましょう。
-
媒介契約の種類
専属専任媒介契約
契約を結んだ不動産会社1社だけに全面的に売却活動を依頼する。
不動産会社には活動報告の義務が生じるため、売却活動の動きを把握することができる。
自身で買主を見つけた場合も、専属専任媒介契約を結んでいる不動産会社を介して契約をする必要がある。
専任媒介契約
専属専任契約と同じく、売却活動を依頼できるのは不動産会社1社だけ。
不動産会社には活動報告の義務が生じるため、売却活動の動きを把握することができる。
専属専任とは異なり、自身で買主を見つけ、直接(専任媒介契約を結んでいる不動産会社を介さず)、売買契約を締結することも可能。
一般媒介契約
同時に複数の不動産会社に売却活動を依頼できる。
自身で買主を見つけ、直接(一般媒介契約を結んでいる不動産会社を介さず)、売買契約を結ぶこともできる。
ただし、不動産会社には必ずしも活動報告の義務がないため、依頼をしている各不動産会社の動きを把握できないことも多い。
また、不動産会社の立場からすると、売買契約が成立して初めて仲介手数料が入るため、専属専任媒介契約や専任媒介契約と比べると、自社が仲介手数料を受け取れる可能性が低くなるので、一般媒介契約の案件は後手にまわりがち。
「どの媒介契約を選べばわからない」という方は、こちらの記事がおすすめです。
媒介契約について詳しく知りたい方へのオススメ参考記事
- 不動産売買を成功させるために備えておくべき媒介契約の知識を紹介
媒介契約とは?専属専任媒介・専任媒介・一般媒介の違いを徹底解説!
【ステップ⑤】購入希望者の内覧対応・条件交渉等
売却活動をスタートして、不動産に興味を持った買主があらわれると、内覧を実施することになります。
内覧では、見た目の印象がとても重要になりますので、事前にしっかり掃除し、きちんと整えておきましょう。
特に、売りに出している物件に居住中の場合は、物が散らかっていると物件全体の印象にも影響するため、必ず片付けるようにしてください。
また、内覧には、基本的に売主も立ち会います。
もちろん、内覧時の案内は不動産会社の営業担当者が主導で進めていくことになりますが、風通しや日当たりなど売主にしかわからないことは説明できるように準備しておくと良いでしょう。
内覧後、買主から値引き等の交渉を持ちかけられることもあります。
交渉を持ちかけられた際は、そもそも買主の交渉に応じるのかどうか、応じる場合はどこまで譲歩するのか、自身のスタンスを明らかにすることが重要です。
そのうえで、不動産会社の営業担当者としっかり相談し、戦略的に進めましょう。
【ステップ⑥】売買契約の締結
売主・買主の双方が売買条件に合意すると、いよいよ売買契約を結ぶことになります。
売買契約時までに売主が用意しなければならない書類等(登記済権利証もしくは登記識別情報、印鑑証明書など)がありますので、事前に不動産会社に確認しておきましょう。
売買契約時には、売主、買主、そして不動産会社の関係者全員が集まる必要があります。
売買契約の大まかな流れは、まず「重要事項説明書」と「売買契約書」の読み合わせを行ない、売主・買主ともに理解・納得したうえで、署名・押印します。
その後、買主から手付金を受け取ります。最後に今後のスケジュールまですり合わせておくと良いでしょう。
また、一般的に、売買契約後、売主は不動産会社に仲介手数料の半金を支払います。
【ステップ⑦】残金決済・抵当権抹消~引き渡し
買主の住宅ローン審査が通り次第、残金決済の日程を決めましょう。なお、売却する不動産に居住中の場合、残金決済の前に引っ越しを完了させる必要があります。
また、残金決済時にも、基本的には、売主、買主、そして不動産会社の関係者全員が集まることになります。
残金決済では、まず買主から売主へ残金を支払います。その後、売主のローンが残っている場合は、残分のローンを完済し、抵当権抹消の手続きを行います(※抵当権抹消の手続きは、事前に申し込みが必要です)。
あとは、引き渡しを完了させ、不動産会社に仲介手数料の残半金を支払いましょう。
以上で、不動産売買に関する手続き等は、すべて終了となります。
- 抵当権抹消とは
- 金融機関から住宅ローンなどの融資を受ける際、多くの場合、担保として、不動産に抵当権が設定されています。そのため、住宅ローンが残っている(抵当権の設定された)不動産を売却する際には、売主は、売却利益などで住宅ローンを完済し、この抵当権を抹消する“抵当権抹消”の手続きをする必要があります。
【ステップ⑧】確定申告
最後の最後、忘れてはいけないのが、確定申告です。特に、給与所得者は「確定申告をうっかり忘れていた」といった事態が生じやすいので、注意しましょう。
売却によって利益が出た場合は、必ず確定申告をする必要があります。損失が生じた場合も、確定申告をすることで税金が抑えられることもあるため、ぜひ申告しましょう。
確定申告は、売却した年の翌年2月16~3月15日の間に行なわなければなりません。
※条件に該当すれば、特別控除等の特例を受けられることもあります。詳しくは、国税庁のHPにて、ご確認ください。
不動産売却後の確定申告について詳しく知りたい方は、こちらの記事がおすすめです。
最新の確定申告のやり方を知りたい方へのオススメ参考記事
- 不動産売却後にやるべき確定申告の全知識を紹介
不動産売却後の確定申告は必ずやるべき!申告の手順や必要書類を解説
2. 不動産の売却にかかる期間目安
不動産の売却にかかる期間は、買主がすぐに見つかるかどうかで大きく差が生じます。
買主が見つかってすぐに売却できる場合もあれば、なかなか買主が見つからず売却期間が長期化することもあります。
とはいえ、「目安として、どのぐらいかかるのか知りたい」という方もいらっしゃるでしょう。
そこで、ここでは上記の各ステップにかかる期間の目安をご紹介いたします。
“必ずしも下記期間では収まらないこともある”ということを念頭に入れたうえで、参考情報の一つとしてご活用ください。
[不動産の売却にかかる期間目安]
8つのステップ | 期間目安 |
[ステップ①]情報収集 | ― |
[ステップ②]複数の不動産会社に査定を依頼 |
約1~2ヵ月 |
[ステップ④]不動産会社と契約を結び、不動産を売りに出す |
3ヶ月が一つの目安 |
[ステップ⑦]残金決済・抵当権抹消~引き渡し | 約1~2ヵ月 |
[ステップ⑧]確定申告 | ※不動産を売却した年の翌年2月16~3月15日の間に行ないましょう。 |
もしかすると、「思ったよりも時間がかかるな…」と感じられた方もいらっしゃるかもしれませんが、上記はあくまで目安の期間です。イチ早く売却をするためにも、この目安を参考に早めに動いていきましょう。
3.まとめ
いかがでしたでしょうか。
不動産売却の流れを8つのステップでご紹介いたしました。
▼[ステップ①]情報収集
▼[ステップ②]複数の不動産会社に査定を依頼
▼[ステップ③]依頼する不動産会社を選り抜く
▼[ステップ④]不動産会社と契約を結び、不動産を売りに出す
▼[ステップ⑤]購入希望者の内覧対応・条件交渉等
▼[ステップ⑥]売買契約の締結
▼[ステップ⑦]残金決済・抵当権抹消~引き渡し
▼[ステップ⑧]確定申告
ある程度、情報収集が完了したら、信頼できる不動産会社選びをはじめましょう。
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