
「不動産売却を考えているがこのまま進めて良いかわからない」
「不動産売却で損をしないために事前に注意するべきことについて知りたい」
そう思って不動産売却の注意点について調べていませんか?
不動産売却をする時に注意をするべきなのは、下記6つの項目です。
・建物
・売却方法
・査定
・査定価格
・契約
・税金と費用
それぞれの注意点を知り、正しく不動産売却を進めないと失敗する可能性があります。
実際に売却後に後悔をしている方がたくさんいます。
不動産売却は人生の中でも1回あるか無いかの機会で、失敗してもやり直すことができません。
不動産売却で損をしないためには売主が不動産売却の知識を持って有利に進めることが重要です。
そこで、この記事では不動産売却で失敗しないために売主が知っておくべき注意点を不動産売却の流れに沿ってまとめました。
売却予定の建物に関する注意点から不動産の売却方法査定時の注意点など不動産売却の時系列に沿って不動産売却時の注意点について解説します。
不動産売却のリスクやトラブルを未然に回避する知恵袋として是非、この記事を参考にして頂ければと思います。
あなたにオススメの記事
不動産売却に失敗しないために知っておきたいことを紹介
不動産売却に失敗するパターンとは|知っておきたい失敗の原因と対策
目次
1. 建物に関する注意点
不動産売却をスムーズに行うために、売却をする不動産について理解しておくことが重要です。トラブルになりやすい建物に関する不動産売却の注意点について見ていきましょう。
1-1. 事前に現況と登記内容を確認する
不動産売却の際は現況(現在の状況)と登記内容に差異が無いか事前に確認することが重要です。
現況と登記内容が異なると、境界トラブルや売却の機会損失の原因になるからです。
現況と登記内容では地積(土地の面積)が異なっている場合、そのまま売却すると買主や隣家との境界トラブルに発展する可能性があります。法務局で公図を取得して隣地との境界線や土地の広さを確認できるので事前に入手しておくと安心です。
また、登記されていない増築などがあると、売買の際に買主は銀行からの融資を受けられなくなり、売却の機会損失の原因になります。法務局で表題変更手続きを行い、登記内容を正しておくことが大切です。
このようにトラブルに発展させないために、現況と登記情報に差異が無いかを確認しておくようにしましょう。
1-2. 建物を解体する際は建築基準を確認する
建物を解体する際は建築基準を確認するようにしましょう。
過去の建築基準法では建築できた建物であっても、現在の建築基準法では建築できない場合があるからです。
建物(建築物)の法律である建築基準法は、過去に何度も改正されており、その度に建築基準も変わっています。
現状を維持している場合は問題ありませんが、一度建物を取り壊してしまうと、現行法でしか建物を建てられなくなります。解体を検討している場合は建築基準法について不動産会社の意見を聞いてみることが重要です。
建物を解体する際は土地が現行法でどのような扱いになるか、事前に確認しておくようにしましょう。
1-3. 売却前にローンを完済できる資金計画を行う
不動産売却前にローンを完済できる資金計画を行うことが重要です。
売却価格がローンを下回る場合、自己資金を補填してローンを完済しなければ、原則として不動産を売却することはできないからです。
ローンが残っていると、家や土地には抵当権という権利が設定されています。この抵当権は、ローンを借りた金融機関がローンの保証としている権利で、ローンの滞納が続くと、抵当権によって家や土地が差し押さえられます。
抵当権を残したまま(ローンを残したまま)で家や土地を売ろうとしても、買主は差し押さえられる危険がある物件を購入しようと思わないので販売するのが難しくなります。
このように売却前に自宅の住宅ローンを確認し、ローンを完済できる資金計画を行うことが大切です。
2. 売却方法に関する注意点
2-1. 仲介と買取の違いを理解する
不動産売却には仲介と買取の2種類の売却方法がありますが、仲介と買取では売却価格や売却までの期間が大きく異なるために仲介と買取の売却方法の違いを理解することが重要です。
仲介と買取の具体的な違いを下記の表にまとめましたのでご覧ください。
仲介 |
|
買主 |
一般のお客様 |
売却価格 |
買取よりも高くなる |
宣伝広告 |
必要 |
仲介手数料 |
必要 |
売却期間 |
買主が見つかり次第(3ヶ月〜6ヶ月が目安) |
買取 |
|
買主 |
不動産会社 |
売却価格 |
仲介よりも安くなる |
宣伝広告 |
不要 |
仲介手数料 |
不要 |
売却期間 |
即時可能(2週間〜1ヶ月程度) |
仲介も買取もどちらも不動産会社が対応するという点は同じですが、売却価格を優先する場合は仲介、早期売却を優先するなら買取を選ぶことが重要です。
それぞれの、売却方法のメリットとデメリットは下記の通りです。
【仲介】
・メリット:直接市場に売り出すために買取よりも高くで売却できる。
・デリット:売却までに3ヶ月〜6ヶ月ほどの期間が必要になる
【買取】
・メリット:売却期間が短い(2週間〜1ヶ月)。
・デリット:売却価格が相場より80%〜70%ほど安くなる。
このように不動産売却は仲介と買取の違いを理解して、優先順位に応じた適切な売却方法を検討することが重要です。
3. 不動産の査定を受ける時の注意点
不動産売却において査定不動産会社を選ぶ入り口となる最も重要なポイントになります。不動産の査定を受ける時の注意点について解説します。
3-1. 査定は必ず複数の不動産会社に依頼する
不動産の査定は必ず複数の不動産会社に依頼しましょう。売却価格の相場を知ることができるからです。
不動産会社にはテレビCMで見かける大手の不動産会社や地域密着の中小不動産会社などがありますが、不動産会社によって見込み客の層や販売方法が違うために査定価格も異なります。
より高く不動産を売却するためになるべく多くの不動産会社から査定を受けるのが賢明です。
このように不動産査定は1社だけではなく、複数の不動産会社に依頼するようにしましょう。
不動産会社を選ぶ際は不動産売却の一括査定サイトの利用をオススメします。
不動産売却の一括査定サイトを利用することで、インターネット上で不動産の査定を行えるために、自分で不動産会社を探す労力と手間を省くことができます。
また、物件の種類や地域性に合わせて最適な不動産会社を複数紹介してくれるので、査定額の相場が分かると同時に、不動産会社を選択する際のミスマッチの危険を回避することができます。
特に、NTTデータ・スマートソーシングが運営する不動産一括査定サイトHOME4Uは無料で複数の不動産会社に査定を依頼することがきるのでオススメです。
HOME4Uは厳しい審査基準をクリアした信頼できる不動産会社だけを厳選し、大手から地域密着まで、約1000社もの不動産会社が掲載されています。あなたのお住いの地域や不動産の種類に応じた最適な不動産会社が見つかります。
住所や間取り、築年数などの情報を入力すると、条件にぴったり合う不動産会社をHOME4Uのシステムが自動的にピックアップします。
自分で不動産会社を探し、問い合わせを行う手間と時間を削減することができるために、売却までの期間を短縮することができます。
不動産の一括査定は、損をしないための一番簡単な方法なので、必ず利用されることをオススメします。
3-2. 不動産会社を比較する
不動産の査定額の根拠を確認しながら不動産会社を比較することが重要です。
高額な査定額を提示してくれた不動産会社が魅力的に感じてしまいますが、あくまでも不動産の査定額は相場を理解するものだからです。
不動産会社にとって査定は営業活動の一環であり、高額な査定額を提示することで契約に近づけようと考える不動産会社も存在します。
簡易査定(訪問しない査定)だからという曖昧な説明ではなく、地域の類似物件の売却の状況を踏まえてプラスの評価ポイントやマイナスの評価ポイントを伝えてくれる不動産会社や担当者を選ぶことが重要です。
優秀な営業担当者を見極めるために査定額が提示された段階で各不動産会社の営業担当者ついて、以下の点を比較してください。
- 査定額に関して根拠を提示してわかりやすく説明してくれる
- 疑問点にも誠実に向き合い、しっかりと回答してくれる
- 不動産の知識に精通しており、適切なアドバイスをしてくれる
- 土地を購入したい希望者などの、地域の情報をしっかりと把握している
このように査定額だけで不動産会社を選ぶのではなく、査定額の根拠を確認しながら不動産会社を比較することが重要です。
4. 査定価格に関する注意点
4-1. 査定価格=売却価格ではない
動産の査定額は実際の売却価格ではないこと理解しましょう。
不動産が思うように売却できなかった場合、販売価格を下げるために実際の売却価格は査定額よりも安くなることが一般的な不動産売却の流れです。
例えば、査定額が3,000万円の不動産であっても3ヶ月が経過して買主が現れなかった場合、2,800万円、2,600万円と販売価格を下げて対応します。
このように査定額はあくまでも売却予測価格であり、実際の売却価格は査定額よりも下回ることがあることを注意点として理解しておきましょう。
5. 不動産会社との契約に関する注意点
5-1. 媒介契約の違いに注意する
媒介契約の違いに注意することが重要です。媒介契約によって売却価格や売却期間に影響するので慎重に検討することが大切です。
不動産売却の媒介(仲介)契約は一般媒介と専任媒介と専属専任媒介の3つの種類がありますが、媒介契約の種類によって不動産会社の意欲や販売の優先順位が異なります。
一般媒介・専任媒介・専属専任媒介の違いを下記の表にまとめたのでご覧ください。
一般媒介 |
|
2社以上の不動産会社と契約できるか |
◯できる |
自分で買主を探して直接取引できるか |
◯できる |
不動産会社から受ける活動報告の頻度 |
法令上の定め無し |
不動産会社のレインズへの登録義務 |
法令上の定めなし |
契約期間 |
法令上の定めはないが、行政指導では3ヶ月以内 |
専任媒介 |
|
2社以上の不動産会社と契約できるか |
×できない |
自分で買主を探して直接取引できるか |
◯できる |
不動産会社から受ける活動報告の頻度 |
2週間に1回以上 |
不動産会社のレインズへの登録義務 |
媒介契約から7日以内 |
契約期間 |
3ヶ月以内 |
専属専任媒介 |
|
2社以上の不動産会社と契約できるか |
×できない |
自分で買主を探して直接取引できるか |
×できない |
不動産会社から受ける活動報告の頻度 |
1週間に1回以上 |
不動産会社のレインズへの登録義務 |
媒介契約から5日以内 |
契約期間 |
3ヶ月以内 |
一般媒介は複数の不動産会社に仲介を依頼できるために買主を探す入り口が広がるように感じられますが、必ずしもそうと限りません。
不動産会社は仲介を依頼された不動産を売るために広告や店舗での紹介など様々な集客活動を行います。しかし、一般媒介では他社の不動産会社も同じように不動産を販売しているために、積極的に不動産の販売活動を行っても他社で契約されてしまうリスクがあります。
そのため、一般媒介はどうしても不動産会社の販売意欲が上がらずに積極的な売却活動を行えないのが不動産会社の本音です。
一方で、専任媒介・専属専任媒介は1社しか媒介契約を結ぶことができないことから、一般媒介と比べて不動産会社の売却への意欲が高くなり、不動産売却までの期間を短縮できる可能性が高くなります。
また、専任媒介・専属専任媒介は不動産流通ネットワークであるレインズへの登録義務や定期的な販売活動の報告義務があるためにより確実な不動産売却を実現できます。
このように不動産売却の媒介契約には一般媒介専任媒介専属専任媒介の3つの種類がありますが、専任媒介・専属専任媒介を選ぶと相場価格で早期売却を実現できる可能性が高まるのでオススメです。
【レインズとは】
レインズとは、不動産流通機構が運営する不動産情報交換のためのシステムです。全国の不動産会社が加盟していて、購入希望者に最適な物件が売りに出されていないか、不動産会社はレインズを使って探しています。つまり、レインズにあなたの物件が登録されれば、全国の不動産会社からも購入希望者を募ることができるため、買主を見つけられる可能性が高くなります。
6. 税金・費用に関する注意点
6-1. 仲介手数料
不動産の仲介手数料は宅地建物取引業法(宅建業法)で手数料の上限が決められおり、売買が成立しなかった場合、仲介手数料は発生しないのが原則です。
集客活動で発生する広告費用も仲介手数料の内訳として含まれており、仲介手数料を超える広告費が発生する場合は売主への承諾が必要になります。そのため、不動産売却において売主が負担する諸経費は仲介手数料のみになります。
仲介手数料を超える費用が発生する場合は、売主が追加の広告を宣伝を希望したのみということを事前知識を理解しておきましょう。
仲介手数料は売却価格によって変動しますが、売却価格が400万円を超える場合は、下記の計算式で簡単に算出できます。
・仲介手数料=売却価格×3%+6万円(消費税別)
上記の金額を超えていた場合は、必ず不動産会社に確認し訂正するようにしましょう。
6-2. 税金
不動産売却は譲渡所得税が発生する場合があります。譲渡所得税とは、不動産売却で利益が生じた場合に課税される税金です。
譲渡所得税の税率は下記の通りです。
・所有期間5年以内:所得税30%、住民税9%
・所有期間5年超:所得税15%、住民税5%(所有期間10年超のマイホームは6,000万円まで軽減あり)
売却で利益が出た場合は確定申告が必要ですが、損失が出た場合も確定申告を行うことで、税金の控除を受けられることがあるために、売却後の確定申告の方法について理解しておくことが重要です。
※不動産売却時の確定申告については、[最新・2018年度版]不動産売却後の確定申告のやり方を解説!で詳しく解説しています。
6-3. その他の費用
6-3-1. 家の場合
内覧時の印象を良くするために、リフォームやリノベーションを行うことがあります。
リフォーム費用は売却価格に上乗せして販売をするのが一般的ですが、必ずしも市場の印象が良くなるとは限りません。
また、建物が古く価値として評価されない場合は解体した方が売れやすいケースもあるのでリフォームは不動産会社と相談して決めることが重要です。
このように家の場合、リフォーム費用やリノベーションの費用が発生する場合があります。
6-3-2. 土地の場合
土地を正確に計測するために30万円〜50万円の費用が発生する場合があります。
現状の地積(土地面積)と登記簿上の地積が異なる場合、不動産が適切に評価されなかったり、売却後に境界トラブルが発生する危険があるからです。
土地の測量や境界の確定は、土地家屋診断士に依頼します。
このように土地の境界や地積が不明瞭な場合は測量が必要となり測量費用が発生することを覚えておきましょう。
7. まとめ
いかがでしたか?不動産売却における注意点についてご理解いただけたでしょうか?
不動産売却には査定時や契約など段階に応じて注意点がありますが、不動産売却で損をしないために最も重要なのが不動産査定を複数の不動産会社に依頼することです。
不動産の査定を複数の不動産会社に依頼することで、物件の相場が分かり優良会社が分かるようになるので、不動産売却の失敗を回避するために複数の不動産会社に査定を依頼することが重要です。
あなたにオススメの参考記事一覧
不動産の売却に必要な基礎知識を紹介
完全ガイド|不動産の売却に必要な知識を全解説!
マンションの売却に必要な全知識を紹介!
[完全保存版]プロが教えるマンションを高額売却する方法!