ノンリコースローンとは?特徴からメリット・デメリットまで徹底解説

ノンリコースローン

「ノンリコースローンってなに?どんな条件で使えるの?」

「ノンリコースローン」という用語は、不動産投資などについて調べていると必ず目にする言葉ですが、どういうものなのかはあまり知られていません。というのも、日本ではリコースローンが主流だからです(リコースローンについては、この後の1章で解説します)。

そこで、ノンリコースローンを利用してみたい方に、ノンリコースローンの仕組みやメリット・デメリット、どんな人に向いているのか、どんな物件なら利用可能なのかまでくわしくご紹介します。
一般的に普及しているリコースローンとの違いも、一目でわかる対比表でご紹介します。

本記事をお読みいただき、ノンリコースローンについての基礎知識を学んで賢く利用してください。

1. ノンリコースローンとは

ノンリコースローンこの章では、ノンリコースローンの仕組みを図でご紹介し、その後で「リコース」ローンと「ノンリコース」ローンとの違いを比較表にしてわかりやすくご紹介します。

1-1. 【図解】ノンリコースローンの仕組み

ノンリコースローンとは、融資を受けたお金を返済できなくなった時に、担保にしていた不動産物件を引き渡すことで、お金の返済義務がなくなるという融資の方法です。仮に物件の価値が融資額以下であったとしても、返済の義務はなくなります。

【例】 
ノンリコースローン契約で所有不動産を担保に5,000万円を融資してもらったが、返済が不可能になったので不動産物件を売却したところ4,000万円だった。この4,000万円を返済金の一部に当てて金融機関に支払い、残りの1,000万円については支払う義務はなく返済を終了できる。

ノンリコースローンは、日本語で「非遡及(ひそきゅう)型融資」と言います。非遡及とは、遡って請求されないという意味です。ノンリコースは英語で《Non recourse》です。

ノンリコースローン

1-2. ノンリコースローンとリコースローンの違い

ノンリコースローンとリコースローンの違いをみていきましょう。下記の表のような違いがあります。

表

【ノンリコースローンとリコースローンの大きく異なる点】
リコースローンとノンリコースローンの大きく異なる点は、返済できなくなった時に、ノンリコースローンは物件を金融機関に引き渡した後は返済義務がなくなりますが、リコースローンの場合は物件を売却しても残ってしまった負債は全額返済しなければならないところです。

一般的に日本で普及しているのは、リコースローンです。

2. ノンリコースローンのメリット

ノンリコースローンノンリコースローンのメリットを見ていきましょう。ノンリコースローンは融資を受ける方にかなり有利になっていることがわかると思います。

2-1. 責任の範囲を限定できる

ノンリコースローンの場合、融資の対象は不動産物件に限られるので、責任の範囲を限定できます。万が一、返済が不可能になった時、担保としていた不動産物件は金融機関に引き渡して売却し、返済金の一部にします。

仮に融資額が5,000万円で物件の売却額が3,000万円だった場合、リコースローンであればローン残金の2,000万円も支払う義務がありますが、ノンリコースローンの場合は支払う義務がありません。

2-2. 万が一返済できなかった時に他の事業や資産に影響が及ばない

ノンリコースローンは物件の収益性に対する融資になりますので、万が一返済できなかった時は、該当物件を金融機関に引き渡してしまえば、それ以降、返済する必要はなくなります。

会社経営者であれば、事業への影響が気になるところですが、ノンリコースローンであれば、不動産以外の資産に影響が出ることはありません。

2-3. 責任範囲が限定されるので申し込みのハードルは低い

申し込みのハードルが低いこともメリットのひとつです。リコースローンと違って、借主の社会的信用度などは関係なく、連帯保証人も基本的には必要ありません。

ノンリコースローンは不動産投資の場で利用されることが多いのですが、若年層の不動産投資初心者であっても、ノンリコースローンであれば融資が可能となります。

3. ノンリコースローンのデメリット

ノンリコースローンノンリコースローンのデメリットも見ていきましょう。ノンリコースローンは融資を受ける方に有利になっている反面、デメリットも多くあります。

これからノンリコースローンを利用したいと考えている方は、デメリットの内容をよく確認するようにしてください。

3-1. 審査基準が厳しい

ノンリコースローンの場合、対象物件の審査基準が厳しくなります。利益を生み出さない物件は投資の対象にはならないからです。商業施設・店舗、ホテル、物流施設、産業施設、ヘルスケア施設など、収益性がある程度見込める物件がノンリコースローンの対象となります。

賃貸物件として貸し出すのであれば、住居や事務所も利用することは可能ですが、収益の可能性について金融機関側を納得させられないと融資は難しいでしょう。

3-2. 融資条件のハードルが高い

申し込みのハードルは低いのですが、融資条件のハードルはそのぶん高くなります。最低でも10億円程度の規模からの融資となります。ノンリコースローンを利用したい場合は、将来的な収益性について綿密に計算し、しっかりとした事業計画を立てる必要があります。

3-3. 金利が高く、返済期間も短期間

ノンリコースローンの場合、金利は一般的な住宅ローンよりも高く設定されています。万が一返済不能になった場合、融資側である金融機関は追加のリスクを負うことになるので、そのプレミアム分の金利が上乗せされているからです。

返済期間も3年から5年程度の短期間に設定されています。長期間の高額融資はリスクが大きくなるので、万が一の事態を想定しているからでしょう。

こういった状況から、ノンリコースローンは法人の利用が多く、個人での利用は限られている状況です。

3-4. 取り扱う金融機関が少ない

後の5章で、主なノンリコースローンを取り扱う金融機関をご紹介しますが、日本国内での扱いはまだまだ少ない状況です。ノンリコースローンの知名度も低く利用者が少ないからです。

ノンリコースローンは1999年ごろ、日本国内の金融機関で不動産を中心とした融資がスタートしました。しかし、2007年ごろに不動産市況が活気を失ったことで、ノンリコースローンも下火になり金融機関も取り扱いを控えるようになります。その後、不動産市況が復活したことで、ノンリコースローンを取り扱う金融機関が再び増えつつある状況です。

最近では、不動産だけでなくトラックやトレーラーを担保とするノンリコースローンの導入も始まりました。

今後、日本国内で順調にノンリコースローンが広まっていけば、取り扱う金融機関も増えていくでしょう。

4. ノンリコースローンは、こんな人、こんな物件に向いている

おすすめノンリコースローンがおすすめできるのは、どんな人、どんな物件なのでしょうか。ノンリコースローンをおすすめできる人や不動産は下記のようになります。

【向いている人】
不動産投資をしている人は初心者からベテランまでおすすめできます。ノンリコースローンの審査対象は基本的に不動産物件の収益性に限られるので、借主の社会的な信用度は関係ないからです。

不動産投資を行なっているサラリーマンや、不動産投資を専業にしている方など、すでに複数の不動産を持っている方に特におすすめです。ノンリコースローンを利用することで融資額を大きくすることができると、さらに大きな利益を生み出すことが可能になるからです。

年齢の若いサラリーマンや非正規勤務の方、定年後の定期的な収入源がなくなったシニア世代なども融資の対象となりますが、不動産投資の経験をある程度積んだうえで、サイドビジネスのレベルから大きく事業を飛躍させたいタイミングなどに利用するのがいいでしょう。

【向いている不動産】
おすすめの不動産物件は、商業施設・店舗、ホテル、物流施設、産業施設、ヘルスケア施設などです。賃貸物件として貸し出すのであれば、住居(アパート・マンションや戸建てなど)や事務所もおすすめです。稼働中の物件だけでなくこれから建設する物件なども利用できます。

ノンリコースローンは、不動産物件の収益性が問われるので、利益を生み出すことが可能な物件であることが利用の条件となります。いわゆる実需(自分が住むために物件を購入する)の際の利用には向いていません。実需の物件は利益を生み出さないからです。

5. ノンリコースローンが利用できる金融機関

金融機関現在、ノンリコースローンが利用できる主な金融機関7つをご紹介します。下記の金融機関以外にも、問い合わせることで利用できる地方銀行があります。

ほとんどの金融機関は、具体的な融資の条件などを提示していません。物件のスペックや貸付の条件などによって、契約内容が大きく変わるためです。

金利も、担保物件の価値や貸付期間などによって大きく幅が出てしまうため、具体的な数値は示されていませんが、「メガバンクは金利が低め、その他の都市銀行や地方銀行は高め、外資系は固定金利」といった傾向があるようです。

また、それぞれ融資の規模や対象とする不動産など強みが異なるため、融資を希望する不動産と条件が合うかどうかは、各金融機関に相談してみる必要があるでしょう。

ノンリコースローンの利用を具体的に考えている方は、直接各金融機関までお問い合わせください。

6. ノンリコースローンを利用する際の注意点

契約ノンリコースローンを利用する際には、「責任財産限定特約」と「制約条項」に注意しましょう。どちらも、債務者(借り手)と債権者(金融機関)との間の取り決めです。

返済の責任範囲や金融機関から提示される融資の条件等をしっかり確認をしてから契約締結しておかないと、万が一返済が不可能となったときに不利益を被る可能性が高くなります。必ずこの二つの契約については慎重に行うようにしてください。

【責任財産限定特約】
責任財産限定特約は、ノンリコース条項とも呼ばれ、融資の際の責任範囲を具体的に取り決めるもので、借り手側と金融機関の間で責任財産のみが強制執行の対象になることが明記されている特約です。

たとえば、一例ですが

・返済原資は責任財産のみに限定される
・債権者は、責任財産以外の資産には強制執行を行わない
・責任財産を全て処分しても残債が残る場合、債権者は債権放棄したものとして扱う

などの規定が記載されていることがほとんどです。

この取り決めによって責任の範囲が決まる「ノンリコースローンの核心部」ともういうべき重要な取り決めなので、万が一返済が滞ってしまった場合のことをよく考えて、責任の範囲は明確に決めておくことが大切になります。

【制約条項】
「制約条項」は、別名コベナンツ《Covenants》と呼ばれます。金融機関が融資を行う際に顧客側に遵守を求める財務上の条件のことです。債権者(金融機関側)が資金回収不能に陥ってしまうリスクを防ぐための事項が含まれます。

一例として

・一定以上の純資産額やキャッシュフローの維持
・契約期間中は、該当不動産を他の融資の担保とすることの禁止

などがあります。

細かな条項はその契約内容により異なりますので、無理なく実行できるものかどうか、契約の際にはよく確認するようにしましょう。

まとめ

いかがでしたか。

最後に、ノンリコースローンについて復習をしておきましょう。
・基本的に「不動産物件」に対して融資される
・「物件の収益性」に対する審査が厳しい
・金利が高い
・返済期間が短い(3〜5年)
・連帯保証人は基本的に不要
・融資額が高額(最低でも10億円以上)
・返済ができなくなった場合は、物件を引き渡せば返済義務はなくなる

日本国内では、まだ扱う金融機関も少ない状況ですが、少しずつ知名度も上がってきており、法人だけでなく個人の土地活用や不動産投資への利用も可能になってきているので、今後に期待したいところです。

土地活用や不動産投資をすでに行っている方も、これから始めようと思っている方も、ぜひノンリコースローンの利用について検討を始めてみてください。

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